横浜市重症心身障害児・者を守る会
団体名 | 横浜市重症心身障害児・者を守る会 |
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会員数 | 306(69)名 |
代表者 | 国分 和子 |
電話 | 045-891-8376 |
連絡先 | 横浜市栄区桂台中4-5 サポートセンター径(みち)内 (国分)045-897-1101 |
設立年月日 | 1965年10月2日 1987年9月27日 神奈川県重度心身障害児(者)を守る会横浜支部を名称変更 |
障害の特徴
会設立当初「社会の役に立たない者に国の税金は使えない」と言われた言葉が脳裏に甦る。
障害者が機能訓練等により、社会復帰し、税金が納められるようになることが自立だとすれば、 重症児者の自立はない。重症児者は意思表示ができないように見られる。けれども厳しく生きる中で、 可能性を伸ばし・優しさ・温もり・愛情を感じて表す笑顔には人の心を動かす力がある。
ある登校拒否の生徒が重症児者と向き合うことで立ち直ったという。その生きる姿は、 かかわる多くの方々に活力と感動を与える不思議な存在である。支えられる人が人を支える、 これが重症児者の生産性(自立)ということではなかろうか。
他人を思いやる心が失われつつあるこの時代に、我々親がいかに強い精神力を持ち、この子らの自立の意義を社会に伝えていけるかに懸かっている。一人の心を変えることができれば、いずれは社会全体を変える大きな力となる。
(指導誌「両親の集い」第594号から)
主な活動内容
本会は、昭和39年6月に、児童福祉法からはずれ「世の中の役に立たず、主な活動内容社会復帰もできぬ子に金をかける必要があるのか」との声も聞かれる世相の中で「たとえどんなに重い障害があろうと、生命をもち、生きているのです。それなりに生き、育ち、伸びるこの子らを生かして下さい」と訴え発足し、今日に至っています。
本会は「最も弱いものをひとりももれなく守る」という基本方針に添って、施設対策と在宅対策の運動をすすめ、親の意識の啓発と連携を密にするため全国に支部を置き地域活動を行っています。また、昭和41年に社会福祉法人を取得し、幼児から成人に至るまでの一貫した事業を実施しています。
また社会福祉事業(第一種・第二種)のほか公益事業の運営など、守る会も広範にわたる事業活動を行うようになりました。
これらの事業活動の根底には「この子らの生命を守り、わずかながらも伸びる姿によろこびを覚え、子どもとともに生き、この子らから学び、親自身が成長する」との精神が流れています。
こうして社会の底辺にあった重症心身障害児(者)の福祉を訴え、医療を求め、教育を願い、 ただひたすらにわが子の幸せを願う素朴な親の活動とその姿が社会のご理解を得、国を動かし、 今日の重症児(者)福祉の施策を推進してきました。私たちは、おりしも国際障害者年1981年)の 第18回重症心身障害児(者)を守る全国大会において、受ける福祉を当然視し、親の責任を回避する姿勢を自ら戒めるため、 親の会として初めて“親の憲章”を採択しました。これからも新たな気持でこの子らを守りたいと思います。
(指導誌「両親の集い」第594号から)
現在抱えている問題点(緊急に解決すべき問題点 など)
障害者自立支援法の施行にあたり、重症心身障害児(者)の施策は、児童福祉法により「5年後の施行を目途に3年以内にその結論を得る」 とされておりますが、10月からは、利用契約制度への移行と利用者負担の見直しに伴う応益負担制度が始まります。
守る会では、障害保健福祉施策の改革案(グランドデザイン)が発表されて以来、厚生労働省から担当官をお招きして臨時の支部長会議を開催するなど、この改革を正しく理解すべく情報提供を行ってまいりました。
その上で、利用者負担額を障害基礎年金の範囲内となるよう、また未成年者についても配慮いただくよう要望するとともに、重症心身障害児(者)などの弱いものの行き場がなくなることがないよう運動を展開してまいりました。
その結果、利用者負担額については、年金の範囲内となるよう各種の負担軽減措置が図られるとともに、参議院厚生労働委員会において「重症心身障害児施設の入所者に対する福祉サービスについては、現行のサービス水準を後退させることなく、継続して受けられるよう配慮すること」として、同法に対する附帯決議がなされたところです。
本会は、創立以来、専門家の方々と車の両輪となった緊密な連携のもと、単に反対するだけでなく、その時々の社会情勢、経済情勢を踏まえ、親としてこの子らをどう守っていくかを真剣に考え、活動を行ってまいりました。そして、社会の共感を得て初めて、最も弱いものが守られることを学んでまいりました。
それには親としての義務と責任を果たしてこそ、社会の共感が得られ、行政を動かすことができると考えております。
今後、この数少ない重症心身障害児(者)を地域の行政そして社会の方々に理解していただくためには、会員の身近な場所での活動が一層重要となってきます。会員一人ひとりが、「最も弱いものをひとりももれなく守る」という会の理念・三原則のもと一丸となった運動を展開していかなければなりません。障害者自立支援法や特別支援教育等を正しく理解し、守る会としての共通認識を持つことにより、今後、それぞれの地域での活動の指針としていただければと考えております。
(指導誌「両親の集い」第594号から)